5Gスマホに搭載されるAiPって何?

スマホに搭載されるアンテナは5Gでも6GHz以下のsub6領域では従来のアンテナ技術が踏襲されるが、28GHz以上のミリ波領域では大きく変わり、そこではアンテナをICパッケージ上に設置するAiP(Antenna in Package)技術が採用される。

背景として従来アンテナはフレキシブルプリント基板でFEM(Front end Module)と接続していたが、28GHz以上の帯域を使用する5Gでは配線による電気的な損失が大きな懸念となる。また28GHz帯では波長が短くなりアンテナが小さくなるため、アンテナとFEMを一体化する事が可能となるためである。

5Gで使用されるミリ波とは厳密には30GHz以上で波長が1mmにまで短くなる電波を指す。ミリ波では共振器の設計がICで実現するサイズとほぼ同じになり、RF ICチップのパッケージ上にアンテナ素子を形成する事が可能となる。AiPには片面にアンテナパッドが形成され、もう一方にはパワーアンプ統合型のRFICとPMICが実装される。実装密度はますます向上し、実装部品点数増により従来の片面実装から両面実装への移行、またインダクターやコンデンサー等受動部品については基板配線による受動素子形成によって搭載点数を削減される等の進化が見られる。そしてこのAiPはスマホの筐体側面に1台当たり4~6個搭載されるのである。

AiPを最初に実用化したのはQualcomm(米)である。18年に第1世代となる「QTM052」、19年には対応周波数を拡大しつつ低背化した第2世代「QTM525」を上市した。現在この競争に参画しているのはスマホメーカーであるApple, Samsung, HiSilicon(Huaweiの半導体子会社)及びQualcomm同様チップセットソリューションを標榜するMediatek等。スマホがまだまだ5Gのみならず3G/4Gを併用するユニバーサル仕様であるとは言え、AiPがスマホの部品機能を次々に飲み込んで進化していく様相を前に、従来のアンテナサプライヤーやFEMサプライヤーが今後どのような動きを取っていくのか興味深く見守っていきたい。

…続く。

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