第3話: Barefoot Networks ~資本主義の行き着く先~

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コナサンミンバンワ、ノマドのノマゾウです。

皆さんはBarefoot Networksという半導体メーカをご存知ですか? シリコンバレーのスタートアップですが、ネットワークスウィッチ用のハイエンドASICを開発しており、Google・Alibaba・Tencent等も出資している有望な会社です。”Tofino”と言えば、あの群青の裸足マークが思い浮かぶでしょう。

通信機器用途のハイエンド半導体市場は過去10年プレイヤーの合従連衡が進んだ結果、いまやほとんどBroadcom1強と言えるような状態となってしまいました。今のBroadcomは通信インフラ機器用半導体(=ASIC)に限って言えばAvago + LSI + Broadcomという経緯があり、ユーザーからすると「全部一緒になっちゃってるやんけ!?」という懸念が噴出しました。これはユーザーである大手通信機器メーカにとって好ましい状態ではありません。Huaweiの子会社HiSiliconのケースのように各通信機器メーカは自前開発やサプライヤーの拡大を図ろうとしていますが、なかなか簡単なものではありません。

Broadcomとしてもそもそも競合関係にあったAvago(+LSI)とBroadcomが合体した当初は、各々の顧客に配慮して社内にファイヤーウォールを設置して自主的に情報制限したりしていましたが、最近は組織の集約化が進んでいます。Broadcom自身は今やスウィッチ用ASICでは市場シェア95%超と自負していますが、そんなBroadcomが恐れる新興メーカがかくいう裸足のBarefoot Networksなのです(でも社員の方々はちゃんと靴を履いて仕事しています)!

私もこの会社が業界を活性化させてくれるものと大いに期待していたのですが、なんと19年6月に突如半導体業界の盟主であるIntelがBarefoot Networksの買収を発表しました。市場シェアの高い企業同士の買収に関しては独占禁止法が適用されますが、こういう新興企業に関しては全くこの手の法律が機能しません。業界関係者は一同なるほどと感じたと思いますが、市場の巨人が次々にこういう新興企業の芽を摘んでしまうとそもそも競争が発生しなくなりますね。市場シェアをある程度取れば、後は金で買収を繰り返して天下統一を果たす・・・というのが資本主義のゴールなんでしょうか? ちなみに知り合いのBarefoot NetworksのエンジニアはかつてFPGAの雄であったAlteraに勤めていましたが、2015年にAlteraがIntelに買収されたのを機に退職したのですが・・・またもIntelの魔手に飲み込まれた格好です。買収先企業に「Now part of Intel」というロゴをつけるのはなんだか植民地支配のような脅威を感じてしまいます。

話が少し逸れますが、音楽産業もアパレル産業も合従連衡・マスプロダクションによって多様化する個人の指向に応えなくなり、自ら市場を衰退させてしまっているような気がします。人類の今後の発展に向けて、そろそろ新しい経済システムを開発すべき時が来ているとノマゾウは思います。

…続く。

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